前回の記事で、香港における河川の護岸政策についてやや批判的な意見を書いていたが、香港政府の環境に対する理解がよく見えたのでここに加筆しておきたい。
香港オイカワの生息域を特定してからその川に通っている。その川でオイカワの生息が確認できたのは1キロ前後の勾配の緩やかな流れ。そこから上流は流れが急で堰などで生物の生息域は分断されている。下流は生活排水などの汚染がきつくなることと完全コンクリート護岸になってしまっているのでオイカワの生息は難しい。
ここではその1キロ前後の範囲を聖域と呼ぶことにする。
山肌の急流ではオイカワは確認できず、チャブのみが生息しているように見える。
オイカワ聖域の殆どが、河川の土手部分のみが岩を積み上げてネットで包まれるという護岸方式(前回のクレソン畑の写真参照)になっている。土手部分のみの護岸で河川の底の部分は自然のままが残してあるのである。
この方式だと、岩を積む手間や、ネットで包む手間を考えるとコストがかかる。コンクリートで全部覆ってしまうより少なくとも手間はかかる。ということは公共事業としてちゃんとコストが落ちているということと理解できる。
オイカワの聖域が岩積み護岸+自然状態プラスアルファの川底にされているということは政府が自然環境に理解をしているということを表す素晴らしい証拠である。
ここに香港政府に敬意を表したい。
今回はルアーでオイカワを釣りたいという、国境際の釣り師達の港さんと出動。
前回は単独出撃で、限られた水域でしか動かななかったが今回は1キロメートル前後、その河を釣り上った。
この、土手を岩積みで作っているという方法はオイカワをはじめとした川の小動物にはきわめて有効であり、素晴らしい生態系が保たれていた。数時間で確認できただけで、カエル、イモリ、オイカワ、チャブ、北江光唇魚とあと2種ほどコイ科の魚種が確認できた。
クレソンの自生域には地元の方が袋をもって摘みに来ていた。
私たちも何度かちぎっていただいてみたのだが、これまで食べたいかなるクレソンより旨かった。
そして、またオイカワが遊んでくれた。香港政府の素晴らしい政策に感謝。
その後、この川が2013年1月までに渡り5年数か月改修工事が行われていたという事実を知った。どうりで成魚の数が少ないわけだ。納得。それでも生態系が継続できたことは確認できた。結果論ではあるが本当に良かった。
オイカワの住む素晴らしい川が香港にもあるのである。この環境が少しでも長く保たれることを祈るばかりだ。
数週間数人がかりで寝られない日々の集大成が国境際の釣り師たちの港さんによって動画に編集された。良い記念になった。
ついでに、はまも動画デビュー。
おしまい。
E-P1 MZD 17MM F2.8 AE BKT HDRI
ボクは香港での釣りを始めて、
香港政府が好きになりました。
オイカワのポイントもそうですけど、
クララやターポンが釣れる僻地だって、
頻繁に草刈などをしてるし、
台風の後は倒れた木々の修復を
誰も歩かないような道まで行う。
隅々まで凄く管理されてると思います。
また新たなクエストが進行中ですが、
あの僻地に入っていくと新たな政府への発見があると思いますよ。
コメントありがとうございます。少なくともゆっくり時間をかけて、治水事業と自然保護のぎりぎりの妥協点を見出してこの川に関しては5年もかけて改修をしたということなのでしょう。底引き網全面禁止しかり、香港政府は少なくとも釣り人にはかなり親切な政府といえますね。あとはシーバスがもう少し釣りやすかったらいうことないのですが、、、、爆、、、