エーゲ海フラット(1)

妻の実家があるトルコへ来ている。一度来てみたかったポイントに家族でやってきた。フェティエという、エーゲ海に面しているトルコ南西のリゾート地。そこで、シーバスかブルーフィッシュ、こちらの言葉でlevrek、luferと言うのだがブルーフィッシュが釣りたくてyoutubeを見まくって調べて場所を特定。

ただそれ以上のものはなし。行ったこと無いしタイミングもわからないし、行ってみないと分からない条件下での出動。

今年キビレ狙いでパワーアップした立ち込みの釣りで結果が出せるかが焦点。

香港以外の海外では、数年前、タイのプーケットで休暇中に家族が起きる前に数時間出たことがあったけれども、結果は伴えずその時以来の朝小一時間だけの勝負だ。

ポイントに向かう車の中ではいかに大変な条件のもとで釣りに出ているのかが思い起こされる。日本とトルコは8000キロ離れていて、トルコについてから2日かけて700キロ前後移動してだが、夜中に娘が調子悪くなり目的地を目の前にして断念せねばならないという状況もあったけれど、落ち着いてくれてなんとかポイントに向かえていることが奇跡のように思われた。

目的地につくとやはり予想外のことが起こった。車が止められると思っていたところが私有地で手前数百メートルに車を止める。目印になっているレストランは改装中かビジネスをやめたかで営業をしておらずポイントに向かうのに敷地内を通り抜けられるかも不明。

なんとか、通り抜けられた。

現地につくと夜明け後なのに結構釣り師がいるので何人か話しかけてみた。今、何がつれますか?何を狙っていますか?の問には

タイセイヨウサバ、ヨーロッパスズキ、ブルーフィッシュの順で答えが戻ってくる。ブルーフィッシュどう?には、今は難しいねと。

ただ、最後に話しかけた男性は、沖を指差し、あの倒木のあたりでシーバス釣れると思うよと。現地の釣り師は皆陸っぱりから遠投でしらすのようなワームを飛ばして大西洋サバやヨーロッパシーバスを狙っているよう。

立ち込むのは僕だけなので、入水すると、足元フワフワの砂泥で前に進めそうにない。入水ポイント前はブレイクになっていて、ヤバそうだったが、こちらには多摩川で必須だった杖を頼りに10mくらい進むとボトムが砂地になり前に進めるようになる。

ホッとした。

トルコの沿岸は大抵切り立ったドン深か、そうでないと大抵岩だらけの条件が多く、このフェティエの遠浅の環境は稀である。

エーゲ海、綺麗な訳は、岩盤が主な地質なので、深い森が殆どなく、禿山が多く、あったとしてもオリーブ畑か灌木。海に流れ込む水に栄養分が少ない。その分水が澄んでこの美しい海を作っているのだけれども、裏を返すと栄養が少ないから魚の資源は日本とは全然違って、魚は一般的に高級品。サンマ3匹300円で手に入れられる環境はいかに恵まれているかということを考えさせられるのだ。

四の五の言ってないで、岸から100メートルくらい進みながらキャストを始める。

ここの環境はフライにはもってこいだ。風が穏やかで、日本だと大潮だと干満の差が1.5から2メートルあるのが普通だけれども、大潮なのに3,40センチしか無い不思議なところ。理由はわからないけれども、潮の影響は無視はできないけれども、緩やかにずっと動いているようで、かついつ行っても立ち込めるようなのでありがたい。

そうこうしているうちに、数は少ないけれど、ボイルもフライでは届かない範囲で数は少ないけれど起こっているので、捕食者がいることは見て取れる。

多分、シーバス。

なんとなくブルーフィッシュは居ない気がする。

ブルーフィッシュは夏の間、黒海から地中海に移動する。その間にエーゲ海があるというわけで、調べていたyoutuberもつい最近までブルーフィッシュをつっていたけれども、釣り人から聞いた限りではもう抜けたのかもしれない。

立ち込む深さは太ももからヘソくらい。ボトムは多摩川河口と比べてずっと硬い砂地のようだ。

ベイトは目視はあまりできないけどいるのだろうという程度。

多摩川河口では頻繁に風にやられてしまうので360度キャストできることはあまりないけれど、今日は風が殆どなくフライ日和。

ということを考えながら投げてると、最初のコンタクトがあった。表現するとコツンなのだけれども、口が柔らかい魚が触った感触だった。フライを咥えるまでいかなかったよう。多分だけど、シーバスがフライを触ったっぽい。

多摩川では全く使わなかったフローティングにクラウザーで臨んでいるのだがボトムにはゴミがあまりなく沈めても良さそう。そうするとターゲット変わってしまうのだけど案としてはありかな。

そしてついにきた!

コツン。これは硬いあたりで。

でも小さい。

ブルーフィッシュではない。シーバスぽくもない。

魚が小さいので6番でテンションを保つのが難しく。寄せるのに竿を立てて踊る。

それで出てきたのが、、、わはは。

多摩川でお世話になっているキビレそっくりのヨーロッパヘダイ。こちらではチュプラといって、魚料理と言ったら、必ず出てくるエーゲ海、地中海でとれる一匹だった。15cmといったところか。

何もわざわざ何千キロも離れたところで同じもの、厳密に言うとキビレとヘダイだから違うけれど、大筋ではまぁ似たようなもの

苦笑したけれど、フライで魚が取れた嬉しさがこみ上げた。

実釣は時間の関係で1時間だけだったけれど、魚の顔が見れたのはラッキーだった。

帰り道朝マズメに見た釣り人たちは殆どつり上がっていたので、仕事前のちょい釣りだったのかもしれない。

昼はリゾートの海で風が出てきて、釣りできないことを知っているからか彼らも長居はしないのだろう。

あと、もう一回くらいは来られる可能性有があるので、出られたらなんとかターゲットの顔を見たいと思う。

おしまい。


RX100M5A, Photomatix Pro, Topaz Studio

HDR from 3 images, hand held

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