それは、単純な理由から始まった。
Xenocypris って、舌をかみそうな名前だったから。そんな動機で調べ始めた。
ラテン語の名前でなくて和名か、せめて英語の名前があればいいなという動機でクセノキプリスを調べ始めた。出てくる文献を読むほどにどうやら違うらしいことがわかってきた。
とはいっても、積極的にその名前を同定できる魚がなかなか出てこないのだ。
本屋を巡り、図書館を巡り資料を探しているうちに、その名前が確定できそうになってきた。
香港では自然科学系の書籍が少ない。特に川魚。甲虫、蝶、鳥、植物の書籍は結構ある、海水魚まではあるけど、淡水魚の書籍はないに等しい。そもそも、香港にどれだけ川の数があるか、、、沖縄のほうがよっぽど淡水川の数がある。
本格的に調べるのであれば香港は中国大陸の一部なので大陸の書物を調べればよいのだが、陸続きなのにあちらは普通語つまり簡体字を使う。香港は広東語、繁体字。香港では大陸の資料が全く手に入らない。面白いことに、使われている文字の違いから自然化科学の書物は台湾のものが香港では使われている。
資料を港太一さんに送ってみると、奇しくも同じ結論に行きついていた。
その名は
Hemiculter leucisculus
和名は
カワイワシ
英語名は
Sharpbelly
ということで、港太一さんの資料や図書館、ネットで調べた結果、やっとこさこの魚の同定が確定。確かにシャープなおなかだし、川にいるチョー引きの鰯い、でも可憐な存在なのだ。
ところで、この魚はSkygazerと親戚のようで、それがわかっていなかった段階で過去の記事で混同がありました。スカイゲイザーの子供だと思っていたのは、このカワイワシでした。お詫びと訂正をここでします。記事はこちら。
この魚、カワイワシ、川鰯だか、河鰯だか知らないけど、本当に引きが弱い。
でも美しいんだ。
この可憐な魚なんか好きなんだよなぁ。この和名をつけた人はセンスある。本当にイメージぴったり。
カワイワシで一文字かえるとカライワシ。こうなると全く別物だ。英名はLadyfish!
でもカワイワシも、カライワシもどちらも愛すべき対象魚である。
参考サイト
http://www.kubota.co.jp/urban/pdf/37/pdf/37_5_3.pdf
http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/water/tokyo_bay/river_sea_creature/river_fish.html
http://www.chikyu.ac.jp/neo-map/file/nakajima-2006-01biwa.pdf
http://nara-kindai.unv.jp/02gakka/05kankyo/suikenseitai/kenkyushitu/takeuchi.html
http://d.hatena.ne.jp/OIKAWAMARU/20100105/1262695460
ああ、すっきりした。
おしまい。