小型船舶免許の特定操縦免許移行講習に行ってきた。
1級小型船舶を2001年に取ったときに確か自動的にジェットボートに乗ることができる「特殊」というカテゴリーと旅客船や遊漁船の船長として乗務することができる「特定」という資格が付いてきた。
ところが数年前の釧路で起こった遊漁船事故から危機管理や運行管理などをちゃんとさせようという流れで法改正が行われた。
それにより、追加で座学と実務の講習を受けないと、現行の「特定」免許が維持できないということで移行講習に参加。今年度以内に受けないと特定免許が取り消される危機。
まぁ、旅客や遊漁をする予定は全くいまのところない。
とは言ったものの、すでにある資格を失ってしまうのも切ないので講習を申し込み参加。
小型船舶の免許更新は5年毎。これまでに都合4度は更新講習を受けてるはず。自動車の運転免許の更新と同じように、小型船舶の更新講習も無味乾燥で法律のアップデートやら、最近の事故例などを淡々とやるものだと思って参加。
僕の最終学歴は尾道海技学院の8泊9日の小型船舶合宿免許。2001年当時は平日5日と週末を2つ当てないと取れなかったものが、現在は三泊四日で取れるようになっているようで羨ましかったりもする。おそらく特定や特殊も含まれていたからだろう。
2001年当時、英系の投資銀行に勤めていて、結構な利益をもたらしていたのに、当時奴隷ポジションだったため、上のラインにボーナスを吸い取られた。奴隷なりにしこたま稼いで、ボーナスこれっぽっち??からの、やけっぱち発症。
会社には相当アピールしたけれど奴隷が一匹吠えただけではなんともならず。切れて、半月休みとった。まずは尾道行って合宿免許。
その後その足でハワイ島に行ってダイビングのopen waterのライセンスを取った。
船舶免許合宿が行われているのは尾道海技学院の寮だったのだが、広島の銘酒「雨後の月」の一升瓶を毎日買って持ち込み宴会。美味しかったし楽しかった。やけっぱちも少し癒やされた。
当時はまだフライフィッシングやる前の時代なので、グラブでパピヨ追っかけてた。フライは2002年にフランス系投資銀行に移った先で自転車部に入ったところで知り合った方と釣りの話になり、「僕釣好きなんです」って会話した相手がフラ基地で、それからフライフィッシング沼に引き込まれてしまい、今にいたってる。
半月会社休んで出勤した所、奴隷が騒いだところで波は立つはずもなく、戻ってもポジションは生きていた。まぁ、そのすぐ後に元客から引っ張られてフランス系の投資銀行に移籍したんだけどね。わはは。
移行講習の内容は座学と実習それぞれ4時間以上と定められていて2日に及んだ。
座学に関して期待値低めで参加してみたら講師がぴかいちで非常に楽しくかつ内容に富んだ講義だった。
講師は学生の頃はヨットをやっておられて、学卒でITの会社に勤めその後独立されて海技周りのサービスをやっておられ、知識経験が実務を伴っており、かつ海技代理士もされているので、法律の限界や、グレーゾーン、監督省庁間の隙間や、海事事件、具体例がてんこ盛りで講義の内容は栄養価満点で、これまで受けてきた講習や講義のなかで最も印象に残る授業だった。何なら座学4時間どころでなく、もっとお話を聞きたいくらいだった。
例えば、漁業権のトピックに、海上保安庁が運営している「うみしる」、というサイトを教わった。地図上で特定の海域の漁業権が設定されている水産資源が調べられる。漁業権から航路やらしばらくこれ眺めて酒飲めるくらい充実している。
また、小型船舶の管轄は国交省、遊漁船の管轄は水産庁でその間で起こる事例で例えば、遊漁船やっているけれど、国交省の管轄の範囲に乗り込んでしまう例などが挙げられ具体例がでてくるので理解しやすくかつ記憶の残りやすい講義内容だ。
例えば、海難事故例は、東京湾マリーナでクルーザーのエンジンが内側から小爆発を起こして船体に穴を開けてあっという間にマリーナの眼の前でクルーザーが沈没している例を動画で見せてくれた。FRPは外からの衝撃には強いが内側からのものには強くなく、また、一度穴が空いてしまうとあっという間に船は沈んでしまうのが一目瞭然。
実務で海技代理士をされているだけに、具体例がいくらでもポンポンでてくる。生徒から出てくる質問に具体例を上げてどんどん掘り下げて説明が返ってくる。頼もしい。
4時間の座学はあっという間に終わってしまって名残惜しいくらいだった。その運営会社は、うみまわり。この運営会社は小型船舶に関わる講習やらだったらまたお願いしたい。
実習は24フィートの船で行われた。2000年代一桁後半の数年間、東神奈川で船を借りていたのだが、その船は17フィートでエンジンが40馬力。17フィートと24フィートの違いはも想像の外大きかった。24フィートの船は走波性が段違いによく、木の葉船のブラックプラチナ号の操船しか知らない僕には新世界。かつ、乗っているエンジンが175馬力でこれまたパワフル。東京奥湾から大島まで2時間でいけるそうで、短い時間だったけれどもワクワクしっぱなし。
講習に同席された社長は32フィートの船を持っておられるらしく、操船がジョイスティックでできるらしい。縦列駐船で船と船の間に真横から操船できるなんて話は山から出てきた猿が初めて摩天楼を眺めるような感覚を覚えた。一度は乗ってみたい世界。
こんなに楽しい講習はいくらあっても良い。なので、うみまわり、超おすすめです。
おしまい。