14年ぶりの沖縄。前回は2011年に香港から海フライの集まりに参加したのが最後。たしかここでも話題にしたと思う。
これまでこんなに間隔開けたことがない。国内にいたときは年に一度は最低行っていたのだけれども、海外にいたという要素はあれど、仕事で苦労して心に余裕がなかったという結果だ。
沖縄は小学校の頃3年間那覇に住んでいたのだが、幼少期の黄金の日々を過ごさせていただいた。週の内5日は釣りに出ていた感じ。
家から歩きで近くの泊港へ行き市場で捨てられている魚の一部を拾って餌として釣りをしていた。当時は500円くらいの万能竿を使っていて、一度コトヒキが大漁で母が400円で買い取ってくれたことがあった。
当時400円といえば生きエビが買える金額。喜び勇んで次の日は生きエビを買って、浮きじかけでガーラを狙うも坊主だった。500円のペナペナ仕掛けにでっかい浮きのアンバランスなしかけをよく覚えている。
ガーラ、全くかすりもせず、生きエビ余ったので、殻をむいて刺し身を食べながら帰路についたことを思い出した。
今回の久々の沖縄。
子育てでほぼほぼ釣りに行けない日々から運良く開放され向かったのはやんばる。懇意にしている民宿に2泊。そこは河口とフラットがあって、格好の立ち込み、底取り釣りの環境だ。
考えてみると、前回沖縄に行った2011年当時まだ、海フライで底を取る釣法はまだまだ未来のことで知るよしもなかった。
なので、ここ数年の多摩川・羽田フラットで確立された東京フラット釣法で臨むことに。以前はウルトラライトタックルでグラブ使ってガーラばかり狙っていたけれども、今回はフライだし、面の釣りではなく、深さも加わった3次元の釣りだ。
ウキウキしながらやんばるフラットに立ち入る。
しかしながら、風が強烈に吹き込んでいる。
南西の風5メートルってのが予報で言われていたが、この河口、湾になっていてかつ河口を囲むように山の稜線が切れ込んでいる。
なので、大局の沖縄に流れる南西の風が山の稜線に切り取られ乱れ、かつ強調され体感、7,8メートルの風で釣りにくいったらありゃしない。
湾外から湾奥に向かって風が巻き込まれ、基本真正面からの風でフライ釣り人殺し風。
それでも前向きに、「いや、これでベイトが湾奥に押し込まれてそれに、プレデターがくるはず」と思っていたのはつかの間、ベイトが全くおらず。魚の気配がまるでない。
沖縄のやんばるくんだりまできて、ここまで魚っけ無い大風荒れるフラットで戦うことになるとは夢にも思わなかった。
でも、わざわざここまで来たし。
そもそも、那覇からやんばるの奥地まで友人に借りた軽トラックで3時間かけてやってきて臨んだ夢の地だ。精神的バッテリーは切らすわけにいかない。
もう、河口の流れ込みと、風の向きと、フライを投げたい方向がてんで一致せず、やけくそになるしか無い文脈がひたすら続いたが、めげずにフライロッド振り回していると、フライの女神様が少しだけ微笑んでくれた。
なんの前触れもなく、魚っけもない、真空地帯から飛びでくれたクサムルー(マトフエフキ)フライで初見だし、食べたら美味しいってことも後で知ったけれども、ヤンバルのフライの神様から頂いたご褒美、丁寧にお帰りいただいた。

帰り道、ヤンバルの道をゆっくり走っていると、シリケンイモリが横断しているところに2度遭遇した。危ないので道路脇に移して微笑みながら那覇への帰路を楽しんだ。
おしまい