これまで淡水の風景をいくつか紹介してきたが、ほとんど平地、それも、秘境といえるものではなく、一寸歩いたり、貯水湖への流れ込みまで少し歩くと行き着けるところばかり。
淡水の魚のまだ見ぬ種類を求めて分け入ったところに、Sha Lo Tung(沙羅洞)という場所がある。特別に大物とか、探していたものが見つかったわけでないので今日は場所を記しておく。
山間に湿地が広がり小高いところに集落があるのだが、ほとんど湿地と原っぱと小川で構成されるこれぞ本当の香港秘境。
バス停から40分の山登り。ゆっくり上ると1時間かかる道のりの先に小さな集落がある。もう20年前にほぼ廃村になっている集落で、現在は二家族居住しているとか。
ここに、香港の尾瀬があった。手つかずの小川がいくつも流れている。
確認できた魚はニジカワムツと七星だけで、小川が細かく分断さてているうえに一つ一つの区域がそう大きくない。
そういうことから、成魚が小さい。ニジカワムツ楽園で見るサイズからは6割から7割の大きさで成熟している。香港固有種のHong Kong Paradisefishってのもいるらしいけれど数回行っているけれど見当たらない。
この集落、開発の手が入ろうとして20年近く棚上げになっている。面白い構図は、住民は開発賛成。集落の大部分を買収しているディベロッパーは生物学者を雇って大真面目に環境アセスメントの情報発信をしている。
しかし、香港政府が待ったをかけているという。ちょっと今までとは違う構図だ。計画を見てみると、生態系に影響を与える開発でないように真剣に工夫しているというように素人目には見える。集落の部分や、湿地帯にはほとんど手を入れず、ほんの限られた部分での開発をしようとしている。
いずれにせよ、香港にこんな場所があるって信じられる?
おしまい。
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